M&A

後継者が親族内、あるいは社内の役員・従業員にいない場合、社外の第三者への引継ぎによる事業存続の道があります。これまで、M&Aに対しては、「身売り」や「マネーゲーム」といったマイナスのイメージがありましたが、近年では、M&Aによる事業の維持、譲り受け先との融合による飛躍などプラスの要素が注目されており、事業承継の一つのあり方として認知されています。

メリット デメリット
①後継者候補を、広く外部に求めることができる
②従業員の雇用や取引先との関係をそのまま継続できる
③譲り受け先と一緒になることで、事業のさらなる発展が期待できる
④会社の財務状態が安定する可能性がある
⑤会社を売却した資金で負債の清算ができるかもしれない
⑥不動産などの会社の資産を残すことで、その後の生活資金を確保できる
①win-winの事業承継ができる譲り受け先が見つかるまで時間がかかる
②M&Aを考えていることが従業員や取引先に思わぬ形で伝わり、計画の失敗の可能性がある
③相手との合意ができるかどうか
④渦リ受け先が個人の場合、債務を引き受ける資金力がない場合や、現経営者の個人補償の引継ぎの検討が必要となる

M&Aの準備

 M&Aで事業を引き継ぐための準備の一つに「磨き上げ」があります。磨き上げは、事業の競争力向上や奈内部統制の構築など、企業価値を高める取組みのことです。企業価値を高めることで、より良い譲り受け先が見つかる可能性や、譲渡価格が上がる可能性が高まります 。

M&Aの種類

中小企業のM&Aは、株式譲渡(自社株式を他の会社や個人に譲渡)と事業譲渡(会社・個人事業主の事業を他の会社や個人事業主に譲渡)などの方法で行われるのが一般的です。

M&Aの種類

企業価値の算定方法

M&Aでの会社の企業価値は、最終的には譲り請け会社との交渉を経て合意に至ったかかくですが、①資産・負債の状況、②収益やキャッシュフローの状況、③市場相場の状況などが企業価値を算定する目安になります。  一般に中小企業のM&Aの場合は、時価純資産にのれん代を加味した評価方法が用いられることが多くなっています 。

■純資産価額とのれん代による企業評価の算定事例   

  時価純資産 + のれん代 = 企業価値

《事例》
①時価純資産

簿価純資産(貸借対照表から) 200
土地含み損 ▲30
保険の解約返戻金 10
退職給与引当金の未計上 ▲20
合計 160

②のれん代(損益計算書から)

売上高 500
経常(営業)利益 30

→ 経常利益の2年分をのれん代として計上

時価純資産 160 + のれん代 60  = 企業価値 220

企業価値には業種や事業規模、競合相手、市場の成長性などの要因も加味されます。
実際の譲渡価額は、譲り受け先の資産状況等にも左右されますので、企業価値=譲渡価額ではありません。

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